社員の「本音」が経営を動かす —フィードバック設計の実践

「社員が何を考えているかわからない」——経営者や人事担当者から、こうした声をよく耳にします。エンゲージメント調査を実施しても、数字の裏にある「本音」が見えてこない。そんなもどかしさを感じている方は多いのではないでしょうか。

なぜ社員は本音を語らないのか

私が27年間の上場企業勤務で管理職として現場に立ち続けた経験から言えば、社員が口を閉ざす理由はシンプルです。「言っても変わらない」「言ったら損をする」という過去の経験が、本音の扉を閉めているのです。

一方で、公認心理師としてカウンセリングの現場に立つと、多くの社員が「誰かにちゃんと聴いてほしかった」と語ります。声を上げる場所がなかっただけで、伝えたい思いは溢れているのです。

フィードバックを「収集」から「対話」へ

従来のフィードバック設計は「収集」に重きが置かれがちです。アンケートを配り、数値を集め、報告書にまとめる。しかしこのプロセスには、最も大切な「対話」が欠けています。

私が組織コンサルティングで実践しているのは、個別面談を核に据えたフィードバック設計です。心理の専門家が1対1で丁寧に話を聴くことで、アンケートでは決して拾えない「文脈」と「感情」が浮かび上がります。そしてその声を、経営層が行動できる「言語」に変換して届ける——これが、フィードバックを経営の力に変えるプロセスです。

「本音」が届いたとき、組織は動く

ある製造業のクライアント企業では、面談を通じて「現場の提案が会議で握りつぶされている」という声が複数の社員から上がりました。経営層はその事実を知らなかった。この声を構造的に整理して届けた結果、翌月から提案を受け付ける仕組みが生まれ、半年後には離職率が改善傾向に転じました。

社員の本音は、組織を壊す爆弾ではありません。正しく扱えば、経営を前進させる最良の燃料になります。

——フィードバック設計について詳しく知りたい方は、お気軽にご相談ください。

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